「備前牡丹獅子香炉」 金重陶陽作2023年02月03日

備前焼 人間国宝と魯山人

鎌倉・吉兆庵美術館にて開催中の「備前焼 人間国宝と魯山人」では、二人の人間国宝・金重陶陽と藤原啓の作品を中心に、土味が魅力の備前焼を展示しています。
 
今回の「美術館のピックアップ情報」では、その中でも金重陶陽作「備前牡丹獅子香炉」をご紹介いたします。

備前焼の人間国宝 金重陶陽


 金重陶陽(かねしげとうよう) 1896-1967

岡山県備前市で代々陶芸を営む金重家に生まれる。
細やかな細工物(轆轤を使わず成型し、表面をヘラで彫刻する)を得意とし、20代ですでに一流の陶芸家として知られた。
さらに、桃山時代に隆盛期を迎えた茶道具としての備前焼を研究し、桃山風備前を再興。
1956年(昭和31)、備前焼の陶芸家として初めて重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定される。

「備前牡丹獅子香炉」 金重陶陽作


牡丹に乗った獅子は、たてがみや尻尾が渦を巻き、生き生きとしています。さらに、蹴り上げた足や反り返った胴体からは躍動感があふれます。
ザラザラとした質感の多い備前焼の肌がなめらかに仕上げられていて、細やかな彫刻技術にも目を見張る作品です。

鎌倉・吉兆庵美術館にて開催中「備前焼 人間国宝と魯山人」

さらに本展では、鎌倉の地で備前焼を最も愛した陶芸の巨匠・北大路魯山人の作品も展示中。
無釉の焼き締め陶・備前焼の魅力を作品の見どころ解説と共にぜひご覧ください。

鎌倉・吉兆庵美術館(鎌倉市小町2丁目9-1)
企画展:「備前焼 人間国宝と魯山人」
会期:令和4年12月3日(土)~令和5年3月5日(日)